佐賀市平和展始まる 戦時映画のチラシなど130点展示 市立図書館

核といのちを考える

野上隆生
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 「佐賀市平和展」が5日、佐賀市天神3丁目の市立図書館で始まった。広島・長崎原爆の日(6、9日)に合わせて毎年開催しており、今年で31回目。「戦後77年。戦争の記憶が薄れるなか、平和の尊さを考えるきっかけにしてほしい」(主催の市担当者)と訴えている。9日まで(8日は休館)。入場無料。

 今年の展示のメインは、「戦争に縛られた大衆娯楽」と題した企画展。「松永文庫」(北九州市)所蔵の戦時映画のポスターやチラシ47点の展示を通して、国民の娯楽だった映画が政治宣伝に利用されていた歴史を考える。

 例えば、真珠湾攻撃を題材にしたアニメーション映画「桃太郎の海鷲(うみわし)」(1943年)は、大人だけではなく子どもに向けても戦意高揚のプロパガンダが繰り広げられていたことを示す資料だという。

 長崎原爆資料館の協力による「原爆資料・パネル展」には、長崎に原爆が落ちた午前11時2分を指したまま止まった懐中時計や、原爆の熱線で溶けたガラス花瓶、廃虚となった浦上天主堂などの写真パネルなど29点を展示している。

 また、佐賀市遺族連合会が出展した資料には、中国大陸に出征した兵士と佐賀に残った家族がやりとりした「軍事郵便」の現物も展示され、1通1通、熱心に目を通す来館者もいた。

 多目的ホールでは、子ども向けアニメ映画3本や、「佐賀空襲を語り継ぐ会」のメンバーによる朗読劇の収録映像などを上映。6日午後2時からは、劇団「SA-GA」による演劇「神風の詩」も上演される。

 ロビーギャラリーでは、ウクライナの子どもたちの現状を撮った写真や、世界の紛争地域で被害が引き起こしている様々な地雷のレプリカも展示されている。

 夏休みで帰省した神奈川県在住の孫2人(小学生)を連れて訪れた佐賀市川副町の高祖道弥さん(69)は「我々は親から戦争の話を聞かされて育ったから、戦争は絶対にだめだと身に染みている。孫たちにも小さいころから関心をもってほしいと思い、連れてきました」と話していた。野上隆生

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