第127回「天井のない監獄」から、ロシアのウクライナ侵攻はどう見えるのか

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パレスチナ自治区ガザ地区=高久潤
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 「天井のない監獄」の人たちには、ロシアのウクライナへの軍事侵攻はどう見えるのか――。2007年にイスラム組織ハマスが実効支配を始めて以降、イスラエルによる封鎖で壁やフェンスに囲まれた種子島ほどの面積に200万人が暮らすパレスチナ自治区ガザ地区。

 もともと失業率50%を超え、国連などの支援なしには生活を営むのも苦しい人が多い地域だ。世界の食料庫ウクライナへのロシアの軍事侵攻は、パンや石油価格の高騰という形で、ただでさえ苦しい生活に追いうちをかける。ガザ地区の街頭で話を聞くと、もちろん苦しい、と。ただ軍事侵攻をめぐる話になると、どうも反応が芳しくない。どういうことなのか。同地区のパレスチナ人権センターの代表で、国際的な人権活動家としても知られる弁護士のラジ・スラーニさん(68)に聞いた。

 ――ガザ地区で取材をしていると、食料価格が高騰したり今後の国際的な支援が細ったりするのではないか。そんな懸念の声を聞きます。影響は大きいですか。

 他の国や地域で起きていることは、もちろんここでも起きています。この状況が続けばより深刻な事態になるでしょう。とりわけ子どもの栄養状態は、今後国際的な支援が細っていけば致命的な事態になりかねません。

 ただ強調しておきたいことが…

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