欧州最大の出力を誇るウクライナ南部のザポリージャ原発に対する攻撃が5日あり、ロシアとウクライナが互いに相手方を非難した。同原発を支配するロシア軍はここを攻撃拠点としているといわれ、戦闘の激化が原発の損傷に結びつく懸念も強まっている。
ウクライナの原子力企業エネルゴアトムによると、5日午後2時半ごろから原発に対する攻撃があり、設備の一部が壊れたという。放射能漏れやけが人はなく、原発は運転をそのまま続けた。
ゼレンスキー大統領は「侵略者は、欧州全体を危機にさらす状況を作り出している」と非難する映像を公表。攻撃がロシア軍によるものだと主張した。エネルゴアトムは、攻撃直前にロシア原子力企業のスタッフが退避したと指摘。「攻撃を事前に知らされていたのでは」と推測した。
一方、ロシア国防省はこの攻撃がウクライナ軍によるものだと主張し、「ゼレンスキー大統領の犯罪行為だ」と非難した。ロシアのタス通信が伝えた。また、核不拡散条約(NPT)再検討会議が現在ニューヨークで開かれていることを指摘して「(攻撃は)極めて皮肉な挑発だ」と批判した。
ザポリージャ原発は世界第3…
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- 【視点】
ザポリージャ原発は、6基の原子炉を擁し、往時にはウクライナの電力需要の4分の1ほどを賄っていたと言われている。同原発は1984年稼働と、旧ソ連の原発としては比較的新しく、それだけ資産価値も高いと考えられてる。 この原発をウクライナ、ロシア