広島で平和記念式典 初参列の国連事務総長「広島の恐怖を常に心に」

核といのちを考える

福冨旅史
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 米国の広島への原爆投下から77年たった6日、広島市で平和記念式典があった。ロシアのウクライナ侵攻で、核兵器使用への懸念が広がるなか、99カ国の代表や岸田文雄首相、グテーレス国連事務総長ら2854人が参列した。松井一実市長は平和宣言で「すべての核のボタンを無用のものに」と訴えた。

 参列者は原爆投下時刻の午前8時15分、黙禱(もくとう)した。

 平和宣言で松井市長は、核保有国のロシアが非核保有国のウクライナに侵攻したことで、「核兵器による抑止力なくして平和は維持できないという考えが勢いを増している」と懸念を示した。日本政府に対しては、核兵器禁止条約への参加を呼びかけた。

 地元選出の岸田首相は首相として初めて参列した。あいさつでは「非核三原則を堅持しつつ、『厳しい安全保障環境』という現実を『核兵器のない世界』という理想に結びつける努力を行う」と強調し、「核不拡散条約(NPT)を国際社会が結束して維持・強化していくべきだ」と述べた。

 式典後の被爆者団体代表との対話で、核禁条約への参加を求められた岸田首相は「『核兵器のない世界』に向けての出口にあたる大変重要な条約」としつつ、核保有国が条約に参加していない現状で、日本が参加する考えはないことを改めて示した。

 グテーレス氏は式典でのあいさつで「深刻な核の脅威が中東から朝鮮半島、ロシアによるウクライナ侵攻へと、世界各地で急速に広がっている。核保有国が核戦争の可能性を認めることは断じて許容できない」と強調した。「広島の恐怖を常に心に留め、核の脅威に対する唯一の解決策は核兵器を一切持たないことだと認識しなければならない」とし、「ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ」と訴えた。(福冨旅史)

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