カエルやイナゴ食べた日々 少年が経験した戦争 イラストに

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三宅梨紗子
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 戦場に行ったわけではないから、自分は戦争を語れない――。そう思ってきた男性が、80歳が近づいた頃から戦中戦後の食糧難の記憶を描くようになった。戦場の外にもあった、ひとりの少年の戦争体験を伝えたいとの願いをこめて。

 「お腹(なか)空(す)いたヨー」。かっぽう着とモンペ姿の母親の足元で、5歳の少年が訴える。「少し待っててね いま お芋をふかしてあげるから」。母親がサツマイモを調理しながらなだめる。70年以上前、台所で交わしたやりとりを、鉛筆や水彩絵の具を使ったイラストで浮かび上がらせた。

 愛知県瀬戸市の水野ア一(あいち)さん(83)は、食料が不足していた戦中戦後の時代を鮮明に覚えている。イラストの少年は水野さん自身だ。

 田畑で捕まえたイナゴやカエルを焼いて食べたこと。貴重だった白いご飯の代わりに、アワやおからが食卓に並んだこと。瀬戸の名産である陶器を入れた重い袋を背負い、母と農家を回っては食材と交換してもらっていたこと。「腹がふくれたことはまずなかった」

 砂糖が手に入らず、しるこに…

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