国学院栃木の監督、定石を覆す持論 選手に呼びかけた逆転のイメージ

津布楽洋一
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 6日、全国高校野球選手権大会1回戦 国学院栃木10―3日大三島

 国学院栃木の柄目直人監督には、持論がある。

 「世の中の一般論を覆すことを常に考えている」

 先発の盛永智也(2年)は序盤、変化球が決まらない。直球を狙い打ちされ、四回表を終えて0―3とリードを許した。

 勝利への鉄則は「先手必勝」が一般的だ。ましてや開幕試合。先制点の重みは増す。

 だが、柄目監督は選手にこう呼びかけた。

 「(相手に)点が入ったことで、球場全体に点が入る波が出来た。その波に、しっかり乗っていこう」

 この指示は、栃木大会準決勝の作新学院戦と同じ。九回表に5点を奪われて3―5とされたが、直後の攻撃で追い付いた。延長十回にサヨナラ勝ちし、作新学院の「11連覇」を阻んだ。

 選手たちは、逆転へのイメージを描いた。

 四回裏。盛永の適時打と敵失などで、あっという間に同点。五回裏は作新学院戦でサヨナラ本塁打を放った主将の平井悠馬(3年)が「つなぐ意識で」、甘く入った変化球をとらえて勝ち越しの適時二塁打。「波に乗れた」と笑った。

 準備期間が短く、開会式後で慌ただしい開幕試合は、あまり歓迎されないのが一般的だ。

 柄目監督は、これも覆した。抽選会で平井主将に「開幕試合のくじを引いてこい」と伝えた。

 自身が現役の時、2000年の選抜大会で開幕試合に勝った勢いで4強に進んだ実績がある。抽選会の前から「開幕試合だと思って準備をすれば問題ない」と選手に説いた。

 願った通りに開幕試合になり、選手たちが「予定通りで最高」と前向きに臨めたことも、精神的に大きかった。

 37年ぶり2度目の夏の甲子園で初勝利を挙げ、2回戦の相手は連覇を狙う智弁和歌山。だが選手たちは、気後れすることは全くない。この日、バント安打などを決めた槙本嵩大(3年)は「次も足でかき回す」と意欲十分。波に乗ったチームは、最高の状態で優勝候補にぶつかる。(津布楽洋一)