堅守崩れ3失点…樹徳エース亀井は動揺せず 投打でゲーム立て直した

吉村駿
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 6日、全国高校野球選手権1回戦 明豊(大分)7―3樹徳(群馬)

 樹徳が反撃ののろしをあげた。

 0―3で迎えた五回裏。敵失と安打などで無死二、三塁から内野ゴロで1点を返した。

 なおも1死三塁。8番打者でエースの亀井颯玖(りゅうく)(3年)が打席に立った。4球で追い込まれた。攻撃のタイムがかかり、次打者の亀田凜太郎(2年)が近付いてきた。

 「コースを絞って、コンパクトにいけ」。井達誠監督の指示だった。

 早速、実践した。バントの構えからバットを引き、5球目。外角高めに浮いた球をたたいた。打球は右中間に落ち、適時三塁打。「芯を食ったが、あそこまで伸びるとは」。2死から内野安打で同点のホームを踏んだ。

 群馬大会の6試合をほぼ1人で投げ抜いた亀井は、1失策の守備にも助けられてきた。だがこの日は一回から内野手の失策が絡み、3点を失った。

 でも、動揺はなかった。

 「エラーした後が大事。今日は自分がチームを攻守ともに立て直す」

 強振してくる明豊打線には「変化球主体でフライアウトでチームのリズムを作る」。むきになって直球で攻めず、120キロ前後のスライダーを低めに集めた。

 狙いがはまった。二回から五回まで8個のフライアウトを積み重ねて無失点。五回の同点につなげた。

 だが、六回に1点を勝ち越され、八回は変化球が高めに浮いて3失点。「スタミナが切れてしまった」。相手の背中が遠のいた。

 甲子園は初戦敗退。でも群馬大会でノーシードから強豪私学を次々と破り、30年ぶりの優勝に導いた立役者は亀井だった。「どんな形であれ、また甲子園に戻りたい」(吉村駿)