山や公園で見つけた逸材、子どもたちが「訓練」 土俵入りしたのは…
笠原雅俊
高知県の小京都と呼ばれる四万十市に古くから伝わる、全国でも珍しいクモ同士を戦わせる「第70回全日本女郎ぐも相撲大会」が6日、一條神社(同市中村本町1丁目)の神楽殿で開かれた。長引くコロナ禍で3年ぶりの開催となったが、夏休み中の子どもたちが自慢のクモを持ち寄り、熱い戦いを繰り広げた。
出場したのは、子どもたちが山や公園で見つけて訓練してきたコガネグモたち。体長21ミリ以上が「幕内」、それより小さいものは「十両」だ。幕内と十両の部に37人(いずれも中学生以下)、観光の部には東京や兵庫などから14人の計51人が参加した。
長さ約50センチの棒を「土俵」に見立て、行司の前で2匹がトーナメント方式で対戦。決まり手は糸で相手を巻き込む「まきこみ」や下に落とす「やぐら落とし」など4手。取り組みが始まると、子どもたちは「負けるな」「がんばれ」と夢中で応援していた。
行司の堂ケ森山太郎さん(82)は「足が長くて戦う気持ちが高いクモが強いです。コロナ禍で久しぶりのクモ相撲はやはり楽しいですね」。幕内で優勝した具同小2年の加藤佑理君(7)は「バッタやセミを餌に訓練してきた。闘争心がメラメラとしていて強いと信じていたけど、優勝してうれしい。友達に自慢します」と笑った。(笠原雅俊)