ミサイル演習、「空母キラー」投入せず 元海将が読む中国軍の4日間

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聞き手・高田正幸
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 米国のペロシ下院議長の台湾訪問への対抗措置として中国軍は4~7日、台湾周辺の海空域で前例のない規模の軍事演習を行いました。中台間の暗黙の了解とされてきた台湾海峡の中間線を中国軍用機や軍艦が何度も越え、台湾本島上空を弾道ミサイルが横切りました。中国メディアは台湾本島の主張する領海の範囲である12カイリ以内に、中国のミサイル駆逐艦が入ったとも伝えています。こうした中国の動きをどう見るか。中国軍事動静に詳しい香田洋二・元自衛艦隊司令官(海将)に話を聞きました。

 ――今回の演習では、中国軍用機が中間線を何度も越えました。また、中国メディアは中国のミサイル駆逐艦が台湾本島東側、花蓮沖の12カイリに入ったと報じています。この意図は。

 中国は2018年、中間線付近に設けた民間機の航空路を台湾との協議なしに使用を始めたことがありました。今回も同様、互いの紳士協定のような形で維持されてきた中間線を事実上、形骸化する動きでしょう。

 台湾本島に接近する動きについても同じで、台湾の空域や海域を含めて自分たちの領土だとして、既成事実化を進めているのでしょう。米国や台湾の反応をみている側面もあります。台湾は排除するのかしないのか、米国はどうするのか。中国は難しい課題を突きつけた形です。

 ――中間線が事実上なくなることは台湾の安全保障上はどのような意味がありますか?

 中間線に戦術上の意味はあり…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2022年8月8日9時12分 投稿
    【視点】

    香田海将(退役)の軍事的な観点に立った見解は大変参考になると思います。解放軍の動きは、中間線を「事実上、形骸化」させる動きであり、台湾本島周辺での動きも「既成事実化」を進める一手です。果たしてそれにどう対応すべきか、とくにアメリカがどれほど