中国軍、8日も演習を継続 日米豪の非難への「あてつけ」で延長か
中国軍で台湾方面を担当する東部戦区は8日、台湾周辺の海空域で演習を継続していると発表した。当初は4~7日の日程で実弾を使った演習を行うとして台湾周辺の六つのエリアを封鎖していたが、さらに演習を続けていることを明らかにしたものだ。
東部戦区によると、この日は潜水艦に対する対応や海上での攻撃を想定した演習を行っている。
中国紙環球時報の前編集長の胡錫進氏は8日未明、ツイッターで「演習は日曜日(7日)正午までの予定だったが延期された。これは米国、日本、豪州の警告に向けた侮りを示すものだ」と投稿。日米豪の外相は5日付で、中国軍の軍事演習の非難し、中止を求める声明を公表。これへの「あてつけ」の狙いがあるという見方を示唆した。
4~7日の演習はペロシ氏が2日深夜に台湾に到着した直後、中国軍が国営メディアを通じて公表した。一部のエリアは台湾が主張する領海内の地域を含んでいた。さらに台湾海峡の演習エリアは中間線の台湾側に及んでいた。
演習が始まる前から連日、中国軍用機や軍艦が中間線を越えて台湾側に侵入した。特に中国軍艦が中間線を越えるのは、極めてまれだ。4日には台湾の東側海域に向けて弾道ミサイルを発射し、5発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。
台湾では、こうした演習が常態化することに懸念の声も出ている。(北京=高田正幸)
- 【視点】
中国が政治の季節に入っているという事情があるとはいえ、軍事演習の継続は拳を下ろすタイミングを誤っているとしか見えません。もし軍事演習を非難する外相声明に対する回答が軍事力の誇示であるならば、それは「中国のすることに口をはさむな」という居丈高
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