「絆原理主義」と「家族イデオロギー」 政治と宗教勢力の関係は

「論座」編集長・松下秀雄
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)などの宗教勢力と政治の関係は? 政策にも影響が及んでいるのか? 生活困窮者の支援にとりくむ稲葉剛さん(立教大学大学院客員教授=写真)は、「論座」(https://webronza.asahi.com/別ウインドウで開きます)で7月27日に公開した「『絆原理主義』の政治が拒む現実との対話」で、貧困対策について論じています。

 社会保障費を抑制する一方、家族の絆を強調し、家族の支え合いを「推奨し、時に強要」する――。稲葉さんは、安倍政権の姿勢を「絆原理主義」と呼んで批判してきたそうです。

 一例が、2013年の生活保護基準引き下げと生活保護法の「改正」。この「改正」によって福祉事務所が申請者の親族に対し、援助するよう圧力をかけやすくなりました。そうした対応は、自民党が野党だった12年に発表した憲法改正草案に「家族は、互いに助け合わなければならない」と記したこととも重なるといいます。

 一方、旧統一教会をはじめ、家庭の価値を強調する宗教団体は少なくありません。稲葉さんはこう見立てています。「(自民党は)『精神論的家族イデオロギー』を信奉する宗教勢力との癒着を強め、『絆原理主義』政党へと変質をする道を選んでしまったのではないか」

 実は私も13年の朝日新聞のコラムで「家族原理主義者」という表現を使いました。遺産相続の際に婚外子の取り分が少ない民法の改正について、自民党内から「(婚内子との)差がなくなれば不倫の抑止力がなくなる」「家族制度が崩壊する」と異論が続出したことに驚いたからです。

 原理主義的な家族観が政治家に広がり、貧困対策に限らず、私たちの暮らしに幅広く影を落としているのかもしれません。

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 上記の論考はこちらから(https://webronza.asahi.com/national/articles/2022072500001.html別ウインドウで開きます)。論座ではほかにも「安倍元首相殺害事件が照射する自民党とカルト宗教との親和性」(https://webronza.asahi.com/national/articles/2022071300001.html別ウインドウで開きます)をはじめ、関連する論考を公開しています。

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