14歳で受けた宣告 10年後に夢を取り戻した奇跡の心臓を持つ男

有料記事

潮智史
[PR]

 J2横浜FCでプレーするFWサウロミネイロ(25)は、世界中に選手を輸出し続ける母国ブラジルでも名の知れた存在だ。

 ブラジル代表経験もない彼が地元メディアに大きく取り上げられた理由はピッチの外にある。

 奇跡の心臓を持つ男――。

 そう呼ばれるに至った人生には、悲しくて壮絶な、そして、夢を諦めない物語がある。

 横浜市内にあるクラブの練習場を7月末に訪ねた。

 午前10時半過ぎ、うだるような暑さのなか、選手たちがクラブハウスから出てくる。カメラを向けると、ひときわ明るい笑顔でおどけたポーズを取った。頭の左前の髪をハート形に黄色く染めたサウロミネイロだ。

 練習中もその後もチームメートにいたずらを仕掛け、冗談をいって話しかける。横浜FCに移籍して2年目。すっかり、チームにもなじんでいるようだ。

 練習後のインタビューで目の前に座ったサウロミネイロはまた違った印象だった。

 落ち着いていて、口数も多くはない。通訳を挟んで返ってくる言葉は、質問を理解していて的確だ。四方田修平監督がいうには、「彼は最初は人見知りするようで、心を開いてもらうまで少し時間がかかった」。そんな一面もあるようだ。

 インタビューの内容が、彼が10年ほどの時間をかけて克服した病気についてだったこともあったと思う。それでも、丁寧に答える姿とその内容に強い衝撃が伴った。

 医師から身に覚えのない病名を宣告されたのは14歳の時だった。

 「心臓に問題があります」…

この記事は有料記事です。残り2051文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
  • commentatorHeader
    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2022年8月9日14時6分 投稿
    【解説】

    サッカーはハードなスポーツです。サウロミネイロ選手が3回もの心臓手術を乗り越えてプレーしているスピリッツに頭が下がります。 フットボーラーの心臓病といえば、6代Jリーグチェアマンになった野々村芳和氏を思い出しました。清水東高校時代に度々取