北大西洋条約機構(NATO)が、今後10年ほどの行動指針となる「戦略概念」を見直しました。ロシアへの対応の強化はもちろん、米国との間で緊張が高まる中国にも初めて言及しています。NATOの役割の変化や今後について、ブリュッセル自由大学のジュリアン・ポマレード研究員(国際安全保障論)に聞きました。
――NATOは近年、テロ対策などの危機管理に注力してきました。ロシアのウクライナ侵攻で、集団防衛の任務に逆戻りしたということでしょうか。
「NATOには三つの大きな任務があります。集団防衛、第三国との協調的安全保障、危機管理です。冷戦崩壊後は危機管理が大きく前面に出ました。(ロシアがクリミア半島を一方的に併合した)2014年から(軍事侵攻が始まった)22年の2月を経て、(重点が)集団防衛に戻ってきました。加盟国を守る任務です」
「歴史的なNATOのアイデ…

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