注目度が高い科学論文の数で、日本が上位10カ国から転落した。文部科学省が9日、「科学技術指標2022」で公表した。前回の調査(17~19年平均)では10位だったが、18~20年平均を調べた今回はスペインと韓国に抜かれ、12位になった。担当者は、「数を見ると、日本はここ数年は横ばいだが、他の国の論文数がどんどん増えており、相対的に順位が下がっている」と説明した。
同省科学技術・学術政策研究所が、ほかの論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る論文の数(トップ10%論文数)などを調べた。日本は3780本で、1位の中国の1割弱だった。日本は00年代半ばまでは4位を維持していたが、それ以降順位は下がり続けている。分野別では、もともと強かった基礎生命科学、化学、物理学の論文数に占める割合が減ってきている。
研究開発費を大きく増やし、近年研究力を上げている中国は、論文数、トップ10%論文数に続き、トップ1%論文数でも、今回初めて米国を抜き1位となった。また、国際的な研究活動を各国がどの程度リードしているのか、論文の責任著者を数えたところ、注目度の高い論文で1位が中国、2位が米国で、日本は12位だった。
日本は20年の研究費(官民…