淡路島育ちの社・福谷、適時打2本放つ 尊敬する先輩スターのように
(9日、第104回全国高校野球選手権大会1回戦 社10-1県岐阜商)
社(やしろ)の遊撃手、福谷(ふくたに)宇楽(うた)の好きな言葉は「スーパースター」。輝きを放つ選手になりたいと思っている。
一回、1死三塁で外角のスライダーを逆らわず右前へはじき返し、先制適時打とした。選抜大会出場の経験がある社は、創部74年目で初めて臨む夏の甲子園。新たな歴史を刻む1点を挙げ、右腕を突き出しながら一塁へ駆けていった。
「どの球にも対応できるように心がけた。チームが盛り上がって良かった」
淡路島で育った。同郷で社の卒業生でもあるプロ野球阪神の近本光司外野手を尊敬する。出身中学は異なるが、同じ先生に野球を教わった。身長171センチの小さな体で躍動する先輩に憧れ、その背中を追うように島を出て県立の社へ進学。身長175センチの体を鍛え、私立の強豪に勝つために技術を磨いた。
今夏の兵庫大会では準々決勝で決勝2ラン、神戸国際大付との決勝はタイブレークの延長十四回に2点適時打を放った。通算打率は5割2分。勝負強さを見せ、初優勝に貢献した。
初めて立った甲子園のグラウンド。黒土や芝を踏みしめ、自分に合った硬さだと思った。「わくわくして、楽しむことができた」
適時打2本で3打点など攻守で力を発揮した。「甲子園に出たら上のレベルでも戦っていけると感じていた。どこの相手にも負けないように頑張りたい」
ほんの少し、スーパースターに近づけた気がした。(辻健治)
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