「手」を失いながらも再び海に ウミガメのリブが教えてくれたこと

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小西孝司
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 島根県隠岐の島町の海岸で一昨年に保護され、右前脚を失いながらも再び海に戻されたアカウミガメ「リブ」。その物語を紹介する絵本「リブと海」(A4判、32ページ)が6月、完成した。保護に関わった地元有志が、クラウドファンディング(CF)で集めた資金をもとに制作した。

 リブは一昨年8月、中学生が見つけ、多くの島民の協力で保護された。漁網に絡んで右前脚を失い、えさと間違えてプラスチック片をのみ込んでいた。神戸市の市立須磨海浜水族園リハビリ後、昨年7月、隠岐の海に戻された。

 海の環境問題を考えるきっかけにしてほしい――。保護にあたった「隠岐の国ダイビング」の安部由起(ゆき)さん(43)が代表になって、島根大や環境省、隠岐ジオパーク推進機構などの関係者らと絵本制作実行委員会を作って昨年11月にCFを開始。2週間余りで約200万円が集まった。

 実行委は、絵本の文章を半年ほど重ねて練った。子どもへの読み聞かせを想定してリズム感を意識したほか、子どもたちの心に響くようにリブが失った前脚を「手」と簡潔に表現した。

 「リブの手が おしえてくれた リブの手が つなげてくれた この手で これから なにしよう」。最後はそんな文章で締めた。「環境問題だけでなく、(保護に関わった)人のつながりにも触れたかった」と環境省隠岐管理官事務所の楊木(やなぎ)萌(もえ)さん(29)。当初、「みんながごみを拾ってくれると信じている」とリブが語る文章にしていたが、ハッピーエンドな終わり方は変更した。「人間の活動が自然環境に影響を及ぼすことを、自分ごととしてとらえてほしい。1頭のウミガメを保護しただけで終わりではなく、未来につなげていければ」

 アクリル画の絵は同町のイラ…

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