戦場からのラブレター 220通の「軍事郵便」ににじむ命への思い

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記者コラム 「多事奏論」 編集委員・吉岡桂子

 命への思いがにじんでいた。

 妻へ、息子へ、そして自らに。

 戦中に中国・山西省へ通信兵として30歳で出征した夫が、広島県に残した新婚の妻(当時22)と生まれてまもない長男に出した便りを読んだ。「軍事郵便」の刻印と検閲済みの朱印が押されている。1945年8月15日の敗戦をはさむ約2年で、220通の「ラブレター」を送っていた。

 検閲を意識してか任務には詳しく触れていない。現地の自然や体調の描写、家族の生活への気遣いが中心だ。青灰色の細いペンで書かれた筆致が優しい。

 戦地からの1通目は「元気だ…

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