「競技者よりハード」 プロの第一歩、練習公開の羽生結弦さん語る

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 フィギュアスケート男子でオリンピック(五輪)連覇を果たし、7月にプロ転向を表明した羽生結弦さん(27)が10日、故郷の仙台市内で公開練習イベント「SharePractice」を行い、プロスケーターとしての第一歩を踏み出した。

 練習では前人未到のクワッドアクセル(4回転半)に挑戦。終盤には2018年平昌五輪で2連覇を達成したフリー「SEIMEI」を3度滑り、最後は4回転ジャンプ4本を決めて、ノーミスで滑りきった。

 「あの時(平昌五輪)よりも、うまいんだと証明したい強い意志があった」

 プロに転向し、心境に変化があったという。

 「今までは試合に追われながら頑張ってきたが、今は皆さんの期待を超えたい。そっちの方が大変だけど、充実した日々を送っている」

 プロ転向後、初めてとなる公の場での練習は公式YouTubeチャンネル「HANYU YUZURU」でライブ配信され、視聴者数は10万人を超えた。

 練習後、報道陣との主なやりとりは次の通り。

 ――練習公開の意図は?

 「自分がこれからプロとして活動していくにあたって、なかなか練習の光景を見せる機会はないと思っていて。でも自分の練習を見たいと思ってくださる方もいますし、自分のアスリートらしさ、根本にある追究する姿を見ていただく機会になればと思って、練習を公開するイベントを作ってもらいました。急きょだったので、やれる演目も限られていたんですが、平昌五輪と同じ構成の『SEIMEI』をノーミスするのが今回の目標であって、あの時よりうまいんだと証明したいという強い意志があって、最後まで滑り切らせていただきました」

 ――「SEIMEI」を選んだのはなぜ?

 「平昌五輪で、『SEIMEI』のイメージが強いと思うんです。あの時はノーミスし切れたわけじゃない。リカバリーがうまくいったところはありましたが、あの時したかった演技は足首の状態も含めてできなかった。今回、自分としてはあれから成長しているところを見せたかったというのが一番強かったなと思います」

 ――4回転半への思いは?

 「夜中に練習しているので(今日は)思ったより体が動かなくて悔しかったんですが、これからまた練習して、絶対に4A(4回転半)を降りる姿を見ていただけるように、死に物狂いで頑張っていきたいと思います」

 「できれば、プログラムの中で跳ぶ機会があったらなと思っています。まだその(成功の)確率にもなっていないし、頑張って全日本の頃の4回転半くらいかなと思うので。これまでの経験で学んだことを生かして、もっとうまくなっていきたいです」

 ――この(故郷・仙台の)リンクへの思いは?

 「ここで4回転トーループの練習をして、思い切り転んだなとか、懐かしいなと思いました。ここで練習することが特別ですし、昔みたいに色々な選手と練習する機会はなくなったけど、地元で練習して自分を高めていけるという特別な感情があります。自分自身も地元に貢献できるように、自分が大好きなふるさとを支援していく活動を含めて頑張っていきたいと思います」

 ――プロになって心境の変化は?

 「プロとして活動していく時に、競技と違うなと思う点はあります。例えば、6分間練習をやって、1個のプログラムをやって終わりではない。点数をつけてもらうためのスケートではなく、皆さんに見ていただけるプログラムをやっていかなければいけないし、競技よりもさらにギアを一つ上げたような演技をしないといけない。新しいショーを組み立てようとする時も本当にきついなと思ってやっているけど、レベルを落とすことなく最後までやり切りたいと思います」

 ――プロ転向の会見後、今日までの気持ちは?

 「会見が終わってから、今日までずっと緊張しながら生活してきました。自分としてやらなければいけないこと、プロとしてやらなければいけないこと、自分から率先して考えることが結構あるので、大変ではあります」

 「睡眠時間もだいぶ減っちゃったと思いながらやっていますが、気持ちの中では競技者よりもハードな練習をしなきゃと思っているし、実際にしていて。今までは試合に追われながら頑張ってきましたが、今は皆さんの期待を超えたい。そっちの方が大変だなと思いつつ、ある意味、すごく充実した日々を送れています。プロアスリートとしてけがをしないように、皆さんに見ていただく機会では、常に高いレベルで見ていただけるように頑張っていきたいと思います」

 ――今後の予定は?

 「ある程度、年内はめどが立ってきました。これやりたい、あれやりたいというのはちょっとずつ決まっていて、そのための練習もしています。ただ告知する時はまた改めて告知させていただこうかと思うので。まだ内緒です」

 ――同世代の大谷翔平選手が「2桁勝利、2桁本塁打」を達成した。

 「今の時代ではあり得ない偉業を達成されたと思います。本当におめでとうございます。僕なんか本当に足元にも及ばないし、大谷世代と呼ばれるような世代にいられて本当に光栄です。これからもぜひ、大谷さんらしく頑張っていただきたい。僕もやっとプロの舞台に上がれたので、僕自身も精いっぱい頑張って大谷さんに追いつけるように頑張ります。多分できないと思いますが。またお会いできたらうれしいです」

SPIN THE DREAM 夢を追って 羽生結弦

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夢を追い続けてきた羽生結弦のフィギュアスケート人生を、未公開を含む多くの写真で振り返ります。[記事一覧へ]