旭川大が聖地に刻んだ熱戦 主将「校名変わっても伝統は変わらない」

三木一哉
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(10日、第104回全国高校野球選手権大会1回戦 旭川大3―6大阪桐蔭)

 2番・遊撃手で先発した旭川大の広川稜太主将(3年)は、初めて立つ甲子園の打席で、次につなぐことに徹した。

 一回は犠打、三回は四球。それぞれ次打者の藤田大輝選手(同)が安打、2点本塁打と続き、大阪大会で失点1の大阪桐蔭に3点リードした。「勝つという気持ちが大事。あとは、やってきたことをちゃんとやることだけを意識してきた」と広川主将。

 北北海道大会の後、報道各社のアンケートに甲子園で対戦したいチームに春の王者の大阪桐蔭を挙げた。「全国トップレベルを知りたい」という理由からだ。それが甲子園の組み合わせ抽選会で現実のものになると、「驚いたけれど、戦えることはうれしい」と語った。

 三回裏、1点差に詰め寄られた池田翔哉投手(同)に「一つずつ、やっていこう」と声をかけた。七回途中まで好投した池田投手は「ピンチのたびに、落ち着けと言ってくれて、気持ちを切り替えられた」。

 ベンチ入りした広川主将と藤田選手、池田投手ら8人は、中学時代から地元の硬式野球チーム「旭川大雪ボーイズ」で一緒だった。中3の2019年8月、大阪での全国大会に出場したが初戦敗退。その帰りに、甲子園出場のため大阪に来ていた旭川大の練習を見学した。テンポの速い打球や送球を目の当たりにして、広川主将は「野球をするならこのチームで」。ほかの7人も続き、同じ高い目標を目指した。

 3点差を追う九回表2死一塁、広川主将が左前打で出塁。次の藤田選手も内野安打で気迫のヘッドスライディングを見せた。最後まで食い下がった旭川大の選手たちに、球場全体から大きな拍手が送られた。

 旭川大は来春、校名が変わる。広川主将は「甲子園で、すごい相手とこれほどの戦いをした。校名は変わっても伝統は変わらない。後輩たちにいい試合を見せられた」と話した。(三木一哉)