「社会は変えられる」 若き社会学者・ケイン樹里安さんが遺したもの

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藤田さつき
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 今年5月、33歳の若さで亡くなった社会学者のケイン樹里安さん。「ハーフ」などを出発点に日本社会にある差別意識を研究し、社会の「普通」に生きづらさを感じる人の側に立って発信を続けました。ケインさんが遺(のこ)したものとは。生前親しかった研究者たちの話や著作から、記者がたどりました。

 「社会学は役に立つ」

 ケイン樹里安さんの口癖だった。

 共編著「ふれる社会学」は、ミレニアル世代のための社会学の入門書だ。就活やスニーカーといった若者に身近な14のテーマが並び、ケインさんは「ハーフ」の章などを執筆した。序章では、本を読むあなたに伝えたいこととして、こう書かれている。

 「わたしたちの日々のふるまいや考え方が、社会の影響から『自由』ではないこと」

 「そして、わたしたちのふるまいや考え方が、社会を作り、社会そのものを変えていく」

 今あなたが生きづらさを感じるのは、あなたのせいじゃなく、社会に理由がある。だから、それをもたらす構造を見いだそう。そうすれば社会を変えることだってできる。あなたもその一部なんだから。

 そんな風に、若い人たちへ呼びかけているようだった。

 きっと彼自身も、社会学との出会いで救われた部分があったのだろう。

 両親は日本人と米国人。折に…

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