「想像を超えていた」道具代 高校球児を持つ保護者の負担感は?

阿久沢悦子
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 道具代、用具代が年々高くなり、高校野球はお金持ちのスポーツになりつつある。実際の負担はどれくらいなのだろうか。球児を子どもに持った経験のある保護者2人に話を聞いた。

 「想像を超えていた」

 東京都内在住の女性は、長男(22)が高校野球部時代にかかった費用について、そう話す。

 長男は、中学まで所属していた野球のクラブチームの指導者から「伸びるから」と千葉県内にある私立高を勧められ、進学した。

 入部と同時に、ヘルメット、ユニホーム、バット、シャツをそろえて約20万円。グラブも5万円以上した。ユニホームは夏用、冬用があり、遠征用のシャツ、冬の防寒コートなど、季節ごとに数万円単位の請求書が届いた。

 年2回、大会とは別に遠征があり、1回ごとに8万円かかった。寮費や学費のほか、体を大きくするためのプロテインや補食の代金もかさんだ。

 次男(19)、三男(18)も中学まで野球を続けていて、家計が大変だった。それでも、子どもたちがスポーツから学べることはたくさんあると考えている。

 「だからこそ、家庭の経済力によらず、平等にスポーツができる環境を整えてほしい」

 長男(16)が甲子園常連校の野球部員という、横浜市の女性(44)。プロ野球のドラフト会議で、プロ入りの夢をかなえた選手が「ここまで経済的に大変だったと思う」「お父さん、お母さん、ありがとう」と言うのをよく聞く。そのたび「ほんと、そうよね」とひざをたたく。

 保護者にそれなりの収入がないと、プロを狙えるまで野球は続けられない。そう身にしみて感じている。

 家には、折れたバットやすり切れたバッティンググラブの山。バットは1本3万5千円、バッティンググラブは1組4千円。毎日の練習で使い込み、それぞれ1~2カ月で新しいものが必要になる。

 練習すればするほど、道具や用具はすぐに摩耗する。1足2万円のスパイクも3カ月から半年ではきつぶす。

 強豪校だけにOBの寄付も多く、甲子園までの旅費や遠征費はかからない。それでも負担感は強いという。

 「練習をがんばる子どもにとって、野球用具は消耗品。道具代だけでも、なんとかならないだろうか」(阿久沢悦子)