深夜の駅、一人で立ち去る男児「お金ないので」 駅員は後を追った

宮沢崇志
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 兵庫県警相生署は、深夜に1人で外出していた8歳の男児を適切に保護し、警察へ連絡したとして、JR相生駅(同県相生市)に感謝状を贈った。

 7月5日。午後10時56分の播州赤穂行きの電車が出た後、改札の外で駅員が男の子から声をかけられた。「岡山駅へ行きたい」

 ICカード「ICOCA(イコカ)」を使って在来線で相生駅に着いたらしい。ただ、この日の在来線の岡山行きはもうない。新幹線があると伝えると、「お金がないからいいです」と男の子は立ち去った。

 「保護した方がいいです」。午後11時からの勤務だった中本麻利さん(45)をはじめ、駅員たちの意見が一致した。この日の夕方、JR西日本の指令所から子どもの捜索依頼の連絡が流れたことを覚えている駅員もいた。駅員の一人が男の子を追った。別の駅員が110番通報した。

 男の子は近くのスーパーの前にいた。保護者の姿はなかった。「歩いて広島へ行く」と言う。驚いて相生駅に連れていった。

 駅事務所で駅員らが話を聞いた。男の子は大阪から1人できたらしい。のどが渇いていないか尋ねると、「水筒を持っています。おなかもすいていません」と落ち着いた様子で答えたという。

 通報を受けた相生署員が男の子を引き取った。大阪在住の8歳とわかった。同日、大阪府警に捜索届が出ていたという。署員に「お母さんとけんかした」「おじいちゃんの家がある広島へ行く」と話した。署によると、男の子は無事、保護者のもとに送り届けられたという。

 感謝状は8月3日に長谷川幸造署長から贈呈された。代表して受け取った中本さんは「遅い時間に駅を利用する子どもは少ない。ふだん見かけない子は、保護する必要があると思いました。無事保護できてよかった」と話した。(宮沢崇志)