現職陣営も自公サイドも足元に不安 沖縄知事選は予想外の三つどもえ
任期満了に伴う沖縄県知事選の投開票まで11日で1カ月となった。現職の玉城デニー氏(62)と、自公政権が推す前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)に加え、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(60)も出馬を表明。日本復帰50年の年、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設が浮上してから7回目となる知事選は、移設の是非を争点に事実上の三つどもえの戦いとなりそうだ。
貫く辺野古ノー 医療・経済に課題
玉城氏は前回に引き続き移設反対を堅持する。ただ、訴えには悩みもつきまとう。
玉城氏を支える政治勢力「オール沖縄」は、自民党県連幹事長も務めた故・翁長雄志氏が、保守や経済界の一部、共産や社民などを「辺野古反対」を旗印としてまとめ上げた。那覇市長から2014年に知事となった翁長氏は政府と対立。後継者として前回初当選した玉城氏は「対話による解決」を政府に求めてきたが、政権から譲歩は引き出せていない。
辺野古移設をめぐっては、移設予定地の北側で軟弱地盤が見つかったことに伴う国の設計変更申請を不承認とした。「最大にして最後のカード」とされ、埋め立て工事の大半をストップさせているが、政府は次々と対抗措置を打ち出し、国と県の裁判闘争に発展する見通しだ。
この間、オール沖縄からは経…
- 【視点】
米軍基地問題を抱える沖縄では、かつての保革対立の時代の流れをくんだ政治基盤が、まだ根強く残っています。ただ、それぞれが自力で固められる基礎票だけでは当選ラインに届かないため、中間層、保守層の一部を取り込もうと激しいつばぜり合いが展開されてき
- 【視点】
日本の知事選はあまり激戦になりません。都道府県はほぼ自民党政権である国政とのパイプを重んじる一方、国政と違って首長と議員がそれぞれ選挙で選ばれる地方政治を円滑に運営するため、争点や政党の支援をめぐる対立構図が生まれにくいからです。ところが沖