香西を甲子園へ…かなえてくれた仲間、感謝のマウンド 九州国際大付

上月英興
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 先発投手が完投し、九州国際大付が初戦突破――。明徳義塾(高知)との2回戦は、新型コロナウイルスの集団感染があったと感じさせないほど締まった試合になり、2―1で競り勝った。3回戦は第10日(15日)の第2試合で、高松商(香川)と対戦する。

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 ほぼ1カ月ぶりに上がった試合のマウンドで抱いたのは、緊張でも気負いでもなく、仲間たちへの感謝の思いだった。福岡大会中に新型コロナウイルスに感染した九州国際大付の香西一希君(3年)。持ち前の制球力を発揮し、1点のリードを守り抜いた。

 六回2死一、二塁の一打同点の場面。伝令を務めた池田悠舞君(2年)から「ストライクが集まっている。コーナーを使って散らばらせよう」と伝えられた。後続の打者に投げた1球目は、外角いっぱいの変化球。転がったゴロを自らさばき、切り抜けた。

 春の選抜大会では3試合を完投。背番号1を付けた福岡大会でも、3試合を投げたが、新型コロナで5回戦から欠場。テレビで見守るばかりとなった。

 そんな中で、仲間たちは「香西をもう1回甲子園へ」と団結。特に池田君は決勝で完封するなど、香西君の穴を埋める成長ぶり。「もう1回チャンスをもらえたら、感謝の気持ちを持って投げたい」。そう思えたから、エースナンバーを池田君に譲っても「甲子園は2人で頑張ろう」と励まし合うことができた。

 実戦でのストライクの感覚を早めに取り戻そうと、序盤から多くの球種を投げ、「きょうは大丈夫」と手応えを感じた。最後は空振り三振で締め、被安打5の完投。楠城徹監督は「マウンドさばき、打者に向かっていく気構え。やっぱり香西だな」とたたえた。

 選抜を準々決勝で敗れてから「夏は優勝」が合言葉だ。「自分が持っているものを全部出して、最少失点で試合をつくる。粘りながら勝っていきたい」(上月英興)