スーチー氏が語る民主主義 軍政下のミャンマー描いた映画完成
クーデターで国軍が政権を握ったミャンマー。市民による命がけの民主化運動が続く母国に思いをはせる人、日本から支援を続ける人――。そんな人たちの生き様を描いたドキュメンタリー映画が完成した。
タイトルは「さらば! ミャンマー軍政」(伊崎健太郎監督、92分)。神戸市を拠点に、ミャンマー人の支援に取り組む市民団体「ミャンマー関西」が約1年かけて制作した。
ミャンマーでは昨年2月に国軍がクーデターを起こして以来、市民が連日抗議デモを繰り広げたが、国軍側は武力で制圧。1年半にわたって「内戦」状態が続いている。
「いつまで殺し合い続けるのか」
「市民に与えられた選択肢は三つ。服従するか、抵抗するか、逃亡するか。彼らは心の中でずっと葛藤しているはずです」
そう話すのは、脚本と構成を担当した映画プロデューサーの岡本直文さん=大阪府箕面市。プロデューサーとして数々の映画の制作に携わってきたが、今回初めてドキュメンタリー映画を手がけた。
映画では、故郷の惨状に胸を痛める在日ミャンマー人や国連ミャンマー大使、日本人の支援者の生き様を通して、変わり果てたミャンマーの実情を描く。
国軍によるクーデターに反対の立場で報道を続け、メディアの免許を剝奪(はくだつ)された後もSNSを通じて英語などで発信を続ける現地のネットメディア「ミャンマー・ナウ」から入手した映像も盛り込んだ。
軍人に殴られ、蹴られる人。抵抗の末、銃で撃たれ殺される人。焼死体――。現地の悲惨な様子を生々しく伝える映像だ。
「いつまでこんな殺し合いを続けるのか、映像で問いかけたい」と岡本さん。
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