ルーキーのトップを走る今村聖奈 女性騎手の評価を覆した「反骨心」

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松本龍三郎
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 天真らんまんな笑顔で、ハキハキとモノを言う。

 「キャピキャピの18歳ですけど、勝負服に着替えると闘争心をむき出しにします。カッコイイ女性でありたいな、と思っています」

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 毎週開催される中央競馬で今、このジョッキーが話題にならない日はない。

 今村聖奈(せいな)。3月にデビューしたばかりのJRA(日本中央競馬会)の新人騎手だ。

JRA女性騎手の新人最多記録 あっさり更新

 異例のハイペースで勝ち星を重ねている。デビューの翌週、17戦目で初勝利を挙げると、5月には10勝に到達。22年間破られなかったJRA新人女性騎手の年間最多勝利記録(9勝)を、あっさりと塗り替えた。

 重賞初騎乗となった7月のCBC賞(GⅢ、小倉競馬場)では、2番人気のテイエムスパーダを鮮やかな逃げ切り勝ちに導いた。

 1984年のグレード制導入以降、ルーキーシーズンに重賞初騎乗で勝利したのは史上4人目。女性騎手としては初めての快挙だった。

 破竹の勢いは止まらない。

 中央競馬では、ここまで25勝(8月7日時点)。10人いる新人の中でトップを走る。GⅠ騎乗が可能となる「通算31勝」(地方交流競走を含む)は、時間の問題と言っていい。

父は元騎手 「パパっ子」はジョッキーを志す

 滋賀県出身。父・康成さん(43)は国内屈指の伝統レース「中山大障害」を制した元騎手で、現在は調教助手を務める。

 長女の今村は、自他共に認める「パパっ子」。ずっと父の背中を見て育ってきた。記憶もおぼろげな幼少期の写真には、木馬に乗ったり、勝負服を着てムチを持ったりする姿が残されている。

 栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)の厩舎(きゅうしゃ)に父と一緒に通い、サラブレッドとたわむれるのが当たり前の環境で成長した。小学6年で「将来は騎手になる」と決心したのは、当然の流れだった。

 競馬学校を今春卒業し、JRAの現役では藤田菜七子(25)らに続く4人目の女性騎手となった。

ルーキーがここまで結果を出せた〝ワケ〟

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