第5回義勇兵の志願も考えた元自衛官の芥川賞作家 「悪」の根拠への違和感

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聞き手・伊藤和行
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 ウクライナのゼレンスキー大統領は今年2月、外国人部隊の義勇兵を募り、日本人からも70人が応募したとされる。小説「ブラックボックス」で芥川賞を受賞した砂川文次さん(32)は在日ウクライナ大使館にメールを送り、参加要領を確認しようとした。なぜ、義勇兵を考えたのか。ロシア軍が北海道に上陸し、自衛隊が地上戦を戦うという設定の小説「小隊」が話題にもなっている。仕事場にしている都内の喫茶店で、話を聴いた。

 ――義勇兵に志願しようとしたことを、文芸春秋6月号に載った寄稿で明らかにしています。その時の心境を教えてください。

 「なんでなのか、自分でもよく分からないのです。結局は行かなかったので、行かなかったという事実だけは間違いない。当時の心境は、あまり覚えていないというのが正直なところです」

 ――寄稿では、最終的には「義勇兵にはならない」と述べています。どういう逡巡(しゅんじゅん)があったのでしょうか。

砂川文次さんは元自衛隊員で、戦闘機の操縦士を務めました。2016年に小説「市街戦」で作家デビュー。ロシアがウクライナに侵攻した2月24日は芥川賞の授賞式で、会見で「怒りしかない」とぶちまけました。その時の思いや侵攻から半年近くたった今の考えを、率直に語ってくれました。

 「端的に言えば、自分には何…

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