ペロシ氏訪台の批判は筋違い 台湾の日本研究者が語る日台関係

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聞き手・牧野愛博
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 中国軍が今月、台湾を取り囲むように軍事演習を行いました。台湾の人々は現状をどう受け止めているのでしょうか。台湾国防安全研究院で日本研究に携わる王尊彦博士は、日本と台湾の情報協力の重要性を指摘します。

 ――台湾の人々は、中国の軍事演習をどう受け止めたのでしょうか。

 普段と変わりない生活が続きました。航空便が一部欠航しましたが、市民は落ち着いていました。中国軍の演習について「ペロシ米下院議長の台湾訪問を理由に、以前から構想していた演習を行ったに過ぎない」と指摘する声もありました。

 市民が中国の圧力に慣れている一方、台湾当局への強い信頼を感じました。本当に危険であれば、台湾当局が防衛準備態勢を上げるなどの措置を取るはずだという考えです。この2年間、新型コロナウイルスの防疫措置が効果を上げていることも、政府と市民の間の信頼関係の構築に役立っているようです。

 ――台湾の最大野党・国民党の夏立言副主席(副党首)らが10日、中国を訪問しました。

 国民党もペロシ氏の台湾訪問に賛成でした。反対したのは、親中派の中華統一促進党などごくわずかの人だけでした。ただ、国民党はペロシ氏の訪問に賛成する条件として「台湾海峡の緊張を高めないように」と主張していました。

 私が最近会った国民党支持者は「なぜ、みんなで中国と対峙(たいじ)している時に訪中するのか」と怒っていました。夏氏らは訪中の目的として「中国にいる台湾留学生や台湾企業と意見交換する」と説明していますが、今は夏季休暇の時期で、誰も説明を信じていません。

 国民党支持者や地方自治体の首長らに不満が出ているため、秋の統一地方選にも影響があるかもしれません。

ペロシ氏訪台批判は筋違い

 ――日本の一部では、台湾海峡危機をあおったとして、ペロシ氏の訪問を批判する声もあるようです。

 バイデン米大統領は5月の日…

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