梅酒の色が変わる謎に迫った高校生、世界で研究発表

小林誠
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 梅酒が熟成すると、美しい琥珀(こはく)色になる。その謎に取り組んだ玉川学園高等部(東京都町田市)の生徒の研究が、自由研究の成果を競うコンテストで上位入賞にあたる「花王賞」に選ばれ、国際大会に日本代表の一員として発表した。この縁で、大手日用品メーカー「花王」の研究者らとオンラインで交流した。

 3年生の松井了子さん(17)は、母親が毎年漬けている梅酒の色が、時間とともに変わることに興味を持った。緑色の梅の実と氷砂糖と無色のアルコールの組み合わせで、なぜ琥珀色になるのか、これまで化学的にあまり定かではなかった。

 松井さんは仮説を立て実験を繰り返し、梅から抽出されるポリフェノールとその酸化反応、氷砂糖が加水分解されて生じるフルクトースという物質の変化が鍵を握り、段階的に色が濃くなる仕組みを解明した。

 全国の高校生や高専生らが競う昨年12月の「JSEC(ジェイセック)2021(第19回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」(朝日新聞社、テレビ朝日主催)で発表し、「身近なものをテーマとし、仮説をきちんと実証できている」などと高く評価され、「花王賞」を受賞した。今年5月には、オンラインで開かれた国際大会「ISEF(国際学生科学技術フェア)」に日本代表の一人として参加。日本伝統の梅酒の説明から具体的な研究内容まで、英語で発表した。

 今月8日、花王の久保英明・常務執行役員らとオンラインで交流。同社の研究者からは「梅酒の味と色の変化との間に関連はあるか」など様々な質問が寄せられた。松井さんは「企業内の研究に興味があり、研究職の方々とのやり取りは楽しかった。私も、常に海外で発表できるようなレベルの研究者を目指したい」と話した。(小林誠)