練習不足でも「甲子園に立てて感謝」 帝京五エース、意地見せた三振

三島庸孝
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 (13日、高校野球選手権大会2回戦、帝京五4―14九州学院)

 新型コロナウイルスの集団感染で状態が心配された帝京五は、一回に1点を先制。リードをもらい、エース右腕・積田(つもだ)拓海投手(3年)はマウンドに登った。「気持ちだけは負けないように」と言い聞かせて。

 帝京五は、7月25日にあった愛媛大会決勝の3日後に最初の陽性者が確認され、次々に体調不良者が出た。隔離生活を余儀なくされ、全員が再び集まったのは、甲子園入りした後の初戦前日だった。

 積田投手も家の中でイメージトレーニングをして過ごすしかなかった。投球練習を再開したのは3日ほど前だった。

 120キロ台の直球に織り交ぜる80~90キロ台のチェンジアップが生命線。直球と同じフォーム、軌道から急に落ち、緩急を生かして打者のタイミングを外す。しかし練習不足で球威、コントロール、試合感覚のすべてが不安だった。

 一回は思うような投球ができず、先頭打者から3連打を浴び、打者9人で5点を奪われた。それでも、二回にはプロ野球ヤクルトの村上宗隆選手の弟で4番の村上慶太選手(3年)から直球で見逃し三振を奪った。身長190センチで威圧感があったが、意地を見せた。

 打撃でもバントを含めて内野安打2本を放ち、何とか食らいついていったが、四回途中で降板した。

 愛媛大会決勝も二回途中で降板し、チームは勝ったものの悔しさが残った。リベンジを期した大舞台での投球を「思い切りぶつかっていこうと思って、悔いなくできた。甲子園に立てて感謝しています」と穏やかに振り返った。

 最後は、2年生がバッテリーを組んだ。「後輩たちはとてもいい経験をしたと思うので、来年は甲子園で勝って欲しい」(三島庸孝)