浜田の高木、値千金の二点適時打 「日進月歩」の努力報われた

野田佑介
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 甲子園での18年ぶりの勝利に、三塁側のアルプス席は歓喜の渦に包まれた。島根代表の浜田は13日の2回戦で、佐賀代表の有田工と対戦。新型コロナウイルスの集団感染を乗り越え、逆転勝ちで初戦を突破した。3回戦は16日の第1試合(午前8時開始予定)で山口代表の下関国際と対戦する。

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 「絶対にランナーをかえしてやる」。マウンド上の相手投手を見つめ、バットを握る手に力を込めた。

 同点の六回、打席は6番・高木(たかき)和輝君(3年)。4番・上田翔大(しょうた)君(同)、5番・岡海善(かいぜん)君(同)の左前への連続安打と送球間の好走塁で無死二、三塁。一打勝ち越しの好機を迎えた。「中軸がチャンスをつくってくれて、打席に楽な気持ちで入ることができた」

 家田康大(やすひろ)監督の指示は「積極的に振っていけ」。3球目の内角の直球を強くたたくと、打球は一、二塁間へ。値千金の2点適時打で勝利を引き寄せた。

 「よし、やったぞ」。右前に転がる打球を目で追いながら、最高の結果が出たことに胸をなで下ろした。

 冬場は、打球を遠くに飛ばすロングティーに時間を費やした。体幹をぶらさず、バットを強く振る意識を持つためだ。今春の県大会ではレギュラーになれず、「苦しかった」。それでもあきらめなかった。絶え間なく進歩することを意味する「日進月歩」という言葉を心に刻み、最後の夏に向けて努力を重ねてきた。

 その成果は、今夏の島根大会で現れた。決勝まで5試合中4試合に出場し、9打数4安打。打率は4割を超えた。ひたむきに練習に取り組む姿を見ていた家田監督はこの日、高木君を信頼して打席に送り出した。「あの場面でも自分のスイングができると思っていた」。期待に応える一打で努力が報われた。

 憧れの甲子園への切符を手にした直後、新型コロナウイルスの感染が部内で広がり、組み合わせ抽選会にも開会式にも出られなかった。それでも、仲間とともに試合ができることを信じて調整を続け、大舞台に間に合った。「甲子園を楽しめた。次の試合も守備からリズムをつくり、足を使ってかき回す『浜高野球』をしたい」。過去最高の8強超えへ、苦しみを乗り越え最高のスタートを切った。(野田佑介)