選抜1週間前にケガ、折れなかった心 大阪桐蔭の左腕・小林が挑む夏

岡純太郎
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 今年の大阪桐蔭の強みは投手層の厚さだ。大阪大会では5人が計1失点と抜群の安定感を見せた。そのうちの1人、小林丈太君(3年)は先発もロングリリーフもこなす技巧派左腕だ。

 三重県出身。130キロ台中盤の直球と変化球で打者を打ち取る。研究熱心で、1学年上のエース左腕・松浦慶斗投手(日本ハム)から投球術やマウンドさばきを学んだ。

 石田寿也投手コーチも「持ち玉全部でカウントを整えられる、引き出しの多い投手」と評価する。

 春夏連覇を目指すチームに欠かすことの出来ない存在となった小林君だが、けがに悩まされてきた。

 選抜大会開幕を1週間前に控えた3月、練習試合で最終調整のマウンドに立った。打者として一塁ベースを駆け抜けた時、足をひねり激痛が走った。

 「やばい……」。右足首骨折の重傷。選抜大会中は、スタンドから仲間たちに声援を送った。

 「一生懸命やった結果だから、悔やんでも仕方ない。けど、やってしまった……」

 ただ、気持ちは切れなかった。「同級生や後輩から学ぶことはたくさんある」。グラウンドの選手たちを観察しながら、いい声かけや攻守交代の際の選手のサポートなどの様子を野球ノートにメモした。

 焦る気持ちを抑えてリハビリに励み、今夏の大阪大会前にけがは完治。大阪大会では4試合に登板し、計5回を被安打0に抑えた。甲子園のメンバー発表で背番号14を受け取った。

 春の悔しさがあったので少しほっとしたが、「まだまだスタートライン。日本一になるため、ここからが本当の戦い」と気を引き締めた。

 1回戦の旭川大戦での登板はなかったが、2回戦に向け、準備は万全だ。「与えられた場面で役割を全うしたい。魂を込めて、思いっきり腕を振りたい」(岡純太郎)