ヘチマはなぜ学校の教材なのか 身近な作物、実は戦中の理科でも

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上原賢子
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 ヘチマと聞くと、なぜか懐かしくなりませんか。小学校の教材として昔から採り上げられていて、家で種から育てたことがあるという人もいるのではないでしょうか。実は、4コマ漫画「サザエさん」にも、ヘチマが題材になった作品があります。60年前の夏のカツオの遊びから、生活のなかに息づいていた植物の姿を追いました。

 「またヘチマをバットにつかったね!!」とサザエ。「また」と言うあたり、庭でヘチマを育てていて、カツオはしばしば遊びに持ち出したのかもしれない。これは1962(昭和37)年8月27日付の朝日新聞朝刊に掲載された漫画だ。

 ヘチマはウリ科のツル植物。巻きひげを出して他のものにからみ茎を支えながら、上へ高く成長していく。最近は、ゴーヤやアサガオと並び、「緑のカーテン」として栽培するのを見かける。漫画が掲載された60年前、ヘチマは私たちにとってどんな存在だったのだろうか。

 漫画と同時期、61年に発行された小学3年生の理科の教科書(東京書籍)を開くと、目次に「へちまの実」という項目が出てくる。春に種をまき、植え替えをして、育てたヘチマの実を観察するだけでなく、その活用に触れている。「へちまの すじは たわしなどに つかわれて います」と、たわしと靴の中敷き「敷皮(しきがわ)」を絵入りで紹介し、「わたしたちも すじを とって みましょう」。熟した実を水につけ、腐らせた外皮や種を取り除けば、すじ(網状の繊維)が残る。

 「この時代の理科は戦前から…

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