聖光学院、ガツガツ振って先制パンチ 横浜の2年生好左腕の動揺誘う

山口裕起
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(14日、第104全国高校野球選手権大会2回戦 横浜2-3聖光学院)

 あっ、という間の先制パンチだ。一回の聖光学院の攻撃。1番赤堀颯が初球の134キロ直球を左前へはじき返す。続く高中一樹が一塁前へきっちりバントを転がすと、1死二塁から3番安田淳平も初球だ。迷わずスライダーを振り抜き、右中間へ。わずか3球で1点を先行。ぐいっと流れを引き寄せた。

 横浜の杉山遥希は三重との1回戦で無四球完投した好投手。制球力が高いからこそ、じっくり見ていくよりもカウントを取りにきた球を狙った。この姿勢が2年生左腕の動揺を誘う。「いきなり打たれて、どの球を投げるか迷ってしまった」

 横浜に追いつかれても、聖光学院はその積極性は失わない。2―2とされた直後の五回は足で攻めた。先頭の赤堀がバント安打で出塁すると、初球で二盗に成功。選手だけで相手の牽制(けんせい)の癖を研究し、ノーサインで走った。無死一、三塁と好機を広げ、内野ゴロの間に決勝点を挙げた。

 計11安打。そのうち、最初のストライクを見送った打席は二つしかない。「とにかくストライクゾーンにきたら、ガツガツ振っていく」と赤堀。チームの狙いは明確だった。

 聖光学院は、ふだんから実戦形式の打撃練習に時間を割いてきた。「初球からいかに反応するかにこだわってやっている」と先制打の安田。「全球対応」という練習もあり、どんな球でも振っていく意識が全員に根付いていた。

 春の選抜は2回戦で敗れたが、この夏は1回戦の日大三(西東京)に続き、全国制覇の経験がある強豪を破った。5年ぶりの16強進出に、抽選会時に組み合わせを見て苦笑していた斎藤智也監督は「20年以上も監督をやってきて、こんなに伸びた世代は初めて」。その結束力や執念が「頼もしい」と目を細める。

 ただ、選手たちは満足しない。赤堀はきっぱりと言った。「1回戦で負けても決勝で負けても一緒だと思っている」。東北勢初の頂へ。積極果敢に突き進む。(山口裕起)