聖光学院・佐山、「絶対的エース」が復活の好投 天国の祖母にも感謝

滝口信之
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 (14日、第104回全国高校野球選手権大会2回戦 聖光学院3―2横浜)

 「絶対的エース」の復活を印象づける投球だった。

 1点リードの七回1死二塁。マウンド上には聖光学院の佐山未来(3年)。前の回に先頭打者を出しながらも、追加点を奪えなかった。「流れが悪い。自分が一番自信のある球で攻めよう」。相手8番打者を139キロの直球で三振に仕留める。続く9番打者には自信があるスライダーで内野ゴロに抑え、思わず右手でガッツポーズをつくった。

 佐山は昨秋から絶対的エースとして聖光学院の中心にいた。佐山が好投すれば勝つ、打たれれば負けるチームだった。ところが、今春、右足を痛めたせいか、福島大会では26回を投げて被安打30と打ち込まれるシーンが続いた。

 福島大会後、どう調子を取り戻すか斎藤智也監督と話し合った末、ブルペンで20球を投げ込んで往復1本の外野ポール間走を繰り返す「荒療治」(斎藤監督)をして調整してきた。

 1回戦は2番手でマウンドに上がると、変化球は高めに浮いたものの、直球は自己最速タイの142キロをマーク。これまで直球は指をはじくイメージで投げていたが、ボールを潰す感覚で投げると、「今までにないくらい感覚が良かった」と佐山。

 この日は最速140キロの直球に、90キロ台のカーブを織り交ぜた。打者に的を絞らせず散発5安打に抑える投球をみせた。捕手の山浅龍之介(3年)も「ミットを構えた所に投げ続けてくれた」とたたえた。

 佐山は春の県大会後に最愛の祖母を亡くした。その日以来、試合では、各回の投球前にバックスクリーンを向いて胸に手をあて、「見守ってください」と声をかけているという。

 「仲間にもおばあちゃんにもありがとうという気持ち」と佐山。自身の投球については50~60点と厳しい評価。「スライダーを投げるのを慎重になりすぎた。修正したい」。視線はすでに次戦を見据えていた。(滝口信之)