「キングメーカー」で金大中モデルの難役に挑戦 名優ソル・ギョング

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映画ジャーナリスト・成川彩
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 今年でデビュー30年を迎えた韓国の名優ソル・ギョングが、軍事独裁政権に立ち向かった民主化の旗手、金大中(キム・デジュン、1924~2009)を熱演している。大統領を目指す金大中と彼を陰で支えた選挙参謀の実話をもとにした公開中の映画「キングメーカー 大統領を作った男」で、難役に挑むソル・ギョングに作品への思いを聞いた。

   □  ■  □

 ――まずはデビュー30年、おめでとうございます。

 おめでたいことなのかどうか。30年もの時間が過ぎてしまったのが惜しい気もしますが、これからも年相応の新たな役に挑戦していけたらいいなと思います。

 ――今回演じたキム・ウンボムのモデルは金大中大統領(任期は1998~2003年)ですが、民主化の象徴的存在であり、南北の和解にも努め、ノーベル平和賞を受賞した尊敬を集める政治家です。負担も感じたのでは?

 映画の時代背景は大統領になるずっと以前の軍事独裁政権下、60~70年代ですが、最初に受け取ったシナリオではキャラクターの名前がそのまま金大中でした。とても負担に感じて、選挙参謀の役をやりたいと言いましたが、ビョン・ソンヒョン監督は「絶対にダメ。金大中役をやってほしい」と、かたくなでした。

 ――ビョン・ソンヒョン監督はソル・ギョングさん主演の映画「名もなき野良犬の輪舞」(17)の監督ですね?

 そうです。「名もなき野良犬の輪舞」の撮影現場がおもしろかったので、「キングメーカー」にも出ることにしました。役名はキム・ウンボムに変えてもらいましたが、難しい役で、悩みながら演じました。

 ――おもしろかったのはどういう点で?

記事の後半では、今回の映画「キングメーカー」の役作りことや、自身の代表作について語っています。

 今日はどんなふうに撮るのか…

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    箱田哲也
    (朝日新聞記者=朝鮮半島担当)
    2022年8月15日11時46分 投稿
    【視点】

     日本では『パラサイト 半地下の家族』で主演し、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』でカンヌ映画祭の最優秀男優賞に輝いたソン・ガンホさんの人気が高まっているが、ソル・ギョングさんも何とも味のある深い演技をする俳優だ。  とりわけ、記事に

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