高校生が考案、どこでも貼れる効率的な太陽電池 「実際に使えそう」

小林誠
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 太陽光や風力など再生可能エネルギーが注目される中、島根県立浜田高校(浜田市)の自然科学部の生徒が、どこにでも貼ることができ、起電力(電気を流す力)も大きくした太陽電池を考案した。コンテストで発表すると、特別協賛している大手日用品メーカー「花王」に高く評価され、同社の研究者らと交流もした。

 研究したのは、2年生の木原萌伽(もえか)さん、鍵山創直(そうま)さん、今春卒業し大阪大に進んだ木村香佑(きょうすけ)さんの3人。

 太陽電池の中でも、色素が光を吸収し、電子を出す性質を応用する「色素増感太陽電池」はエネルギー効率が悪く、最先端の研究から取り残されているとして、新たな素材で改良することを考えたという。電解液に「ローダミンB」という赤紫色の染料を使うと効率が良いことを発見し、電池化するうえで効率的な形状などを工夫した。

 この電池は1・7ボルトを超える起電力を実現。電解液の補充なしで、1カ月発電出来た。樹脂フィルムを使っているので、ヘルメットなどの曲面にも貼ることもでき、実用化されれば、災害時の携帯電話やパソコンの充電などにも使える。

 昨年、全国の高校生や高専生らが競う「JSEC(ジェイセック)2021(第19回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」(朝日新聞社、テレビ朝日主催)で、「実際に使えそうな有望な発見」などと高く評価され、花王特別奨励賞を受賞した。

 今年8月8日、花王の久保英明・常務執行役員らとオンラインで交流。同社の研究者たちは「たゆまぬ改善への努力はもとより、開発のきっかけも大変興味深い」と感心していた。

 3人は「まだ改善点や知るべき点がたくさんあることを実感した」「企業の方と意見交換をするのは初めてで緊張したが、無事発表できて良かった」「大学でも自分が満足いくまで研究を続けたい」などと語った。(小林誠)