「次の1点が欲しい」 二松学舎大付の3番・瀬谷、口火切る一打

本多由佳
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 14日、第104回全国高校野球選手権大会2回戦 二松学舎大付7―5社

 五回裏1死走者なし。二松学舎大付の3番、瀬谷大夢(3年)が打席に立った。4―0とリード。まだ安心はできない。「次の1点が欲しい。何とか塁に出て次につなげたい」

 来た球をしっかり返すことを意識した。1ボール、2ストライクからの4球目、内角に入るスライダーをとらえ、右前に打ち返した。この一撃で打線に火がつく。続く1年生片井海斗が中越えの二塁打、さらに2年生押切康太郎が中前打を放ち、敵失も絡めて3点を奪った。

 「チームのための1本を打てた。自分のスイングもできた」と喜ぶ。札幌大谷(南北海道)との1回戦は警戒されて2四球。犠打と中飛で無安打だった。「自分のスイングをさせてもらえなかった」。市原勝人監督も「落ち着いて自分を取り戻し、瀬谷らしい打撃をしてくれた」と評価した。

 甲子園の舞台に立つのは昨夏と今春に続き3回目。過去2回は悔しさを残したまま甲子園を去った。昨夏は2年ながら3番を任されたが、2試合とも無安打だった。対戦した投手には注目の左腕、京都国際(京都)の森下瑠大(3年)がいた。「甲子園にはこんなピッチャーがいるんだ。もっとレベルアップしないといけない」と思い知った。

 冬には素振りと筋トレに励み、迎えた今春の選抜大会。1回戦の聖光学院(福島)では2安打と成長を見せた。しかし、チームは敗退。春の都大会も決勝でライバルの関東第一に3―7で敗れた。「決勝まで行っても、あと1回勝てば、というところで負けてしまう。これが自分たちなんだなと痛感した。でも夏は絶対にそうさせない」。心に誓い、鍛え続けた。

 最後の夏。瀬谷はこの日、4打席すべてで安打を記録した。エース辻大雅(3年)が本塁打を浴びた直後の七回裏にも、左中間を破る二塁打を放った。チームは1回戦ではサヨナラ勝ち。2回戦も地元代表校への大歓声のなか「怖さは結構感じた」ものの、追い上げを振り切った。

 夏の甲子園で初の2勝は達成した。次の相手は聖望学園(埼玉)を19―0で破り、春夏連覇を狙う優勝候補の大阪桐蔭(大阪)だ。「どこが相手でもしっかり自分たちの野球をして、勝てるよう頑張りたい」。瀬谷はさらに歴史を刻むことを誓った。(本多由佳)