30歳で開けるはずが52歳 二度目の正直でタイムカプセルに再会
30歳で開けるはずのタイムカプセル、22年後にようやく――。50歳を超えた小学校の卒業生183人のうち約50人と64~78歳の元担任教員5人が14日、京都府宇治市内で再会した。
約40年ぶりにカプセルを開けたのは市立北小倉小学校の1982年度卒業生。実は二度目の正直だった。
直径60センチほどのカプセルは83年3月の卒業記念で校庭に埋め、「2000年5月3日、再び集まって開ける」と決めた。
約束の日、30歳になった数十人が学校で掘ったが、空振りに。ウサギ小屋が増築され、様子が変わっていた。当時の担任によると、その後の空調工事に伴って校庭から見つかり、市教委に保管されていたという。卒業生らが今年知り、同校向かいの市体育施設で同窓会を開いた。
卒業生の多くは大阪万博開催の1970年生まれ。6年生だった82年に、昼の人気番組「笑っていいとも!」(2014年終了)が始まり、米映画「E.T.」(スティーブン・スピルバーグ監督)がヒットした。カプセルの中身は文集、教科書、芸能人のポスターや雑誌、テープ、30歳の自分にあてた1分間ビデオ、83年3月18日付の新聞など。ビデオはこの日、2台のモニターで再生。「結婚していますか」「店を開きたい」「子どもがいるかな」などと30歳の自分に話す様子に、22年遅れで見た卒業生たちが盛り上がった。
後に結婚した佐竹敏宏さん(52)、奈穂さん(52)は23~18歳の子ども3人も卒業生。奈穂さんは歌手オフコースのテープを入れていた。「22年前は見つからなかったが、会えた喜びが大きかった。久しぶりに集まり、12歳のビデオも見られた」と喜んだ。
北小倉小は今年、創立50周年。地域の子どもの数が減るため4年後、近くの小中学校と一貫校に統合されて閉校する。この日集まった卒業生の孫世代が通うことになる。西山政利さん(52)は「いい一貫校になってほしい」と話す。(小西良昭)
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