打球飛ぶ「甲子園で有効な戦法」、徹底した愛工大名電 高嶋仁の目

前・智弁和歌山監督
[PR]

智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

(15日、全国高校野球選手権大会3回戦 明豊2-5愛工大名電)

 フェンスに向かって伸びた最後の打者の大飛球を、まるで待ち構えていたかのように、愛工大名電のセンター・加藤蓮君がジャンプ一番、好捕しました。

 この試合を象徴するようなシーンでの幕切れとなりました。

 着実にリードを広げていたこともありますが、愛工大名電は外野手がフェンスのすぐ手前で守っていました。明豊の打者がどんなにいい打撃をしても、本塁打にならない限りは、ことごとくフェンスの手前で捕球してしまう。本来なら定位置から背走して追うような打球なのに、前に出ながら捕球するシーンもありました。

 この徹底ぶりが成功しました。甲子園は打球がよう飛ぶんです。外野手が深く守るのは、甲子園で有効な戦法の一つということを証明しましたね。

 愛工大名電はバッティングも素晴らしかった。ヒットのほとんどがセンター前。練習からしっかり意識して取り組んでないと、ここまで徹底はできません。スキがあれば、どんどん次の塁を狙う走塁もよかった。常に一、三塁という状況をつくって攻める。理想的な攻撃でした。

 明豊もよう頑張ったと思います。ただ、左投手を攻略するには、もっと右方向への意識を徹底したらよかったように思います。

 ほんのわずかな差なんです。いい当たりが抜けるか、捕られるかというのは。大阪桐蔭はそのあたりが、とことん徹底されとるんです。(前・智弁和歌山監督)