ダーウィンの予言が的中 昆虫との駆け引きが生む、花の形の奥深さ

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矢田文
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 多種多様な花を咲かせる植物。色鮮やかなものから、一見地味なものまで――。多くの植物が子孫を残すのに必要な花粉の受け渡しを、昆虫などの動物に託す。花の形には、そんな植物と昆虫たちとの駆け引きから生まれた奥深い科学が凝縮されている。

 にょろりと細長いひものようなものが伸びた花が特徴のウラシマソウ。童話の浦島太郎がさおを垂らして釣りをしている姿のようだと、その名の由来にもなっている。長いものでは50センチ以上にもなるが、一体なんのためについているのか、植物研究者の中では100年以上も続く謎だった。

 進化の過程でたまたま残った無駄な部分ではないか。そんな仮説もあったが、神戸大の末次健司准教授らのチームが今年、謎に迫る成果を発表した。さおを切除した実験から、キノコバエという特定の昆虫だけを呼び寄せる誘引の役割があることがわかった。

 キノコバエが訪れなくなったウラシマソウは、それ以外の虫が訪れる頻度に関係なく、果実や種子ができにくくなった。ウラシマソウのさおは、主要な花粉媒介者のキノコバエを、その名の通り「釣りあげる」ために機能していたのだった。

 ウラシマソウのように、多くの植物は受粉を昆虫などの動物に頼る。そして、ターゲットとする特定の動物に応じた戦略をとる。

 サギソウが持つギザギザの白…

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