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妊婦のための「産救車」 119番ためらわずに 和歌山・有田

直井政夫
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 和歌山県有田市は、急な陣痛など緊急な状態になった妊婦らが、気兼ねなく呼べる救急車両「産救車」の運用を始めた。妊婦が救急車を依頼するのは、ハードルが高いとされる。病院への搬送遅れをなくし、母子の安心と安全を高めるのを目的とした。

 産救車は、有田市立病院の産婦人科の平野開士医師が考案した。平野医師は県外の病院で勤務していたとき、妊婦が救急車を呼ぶのをためらったため、手当てが遅れ、胎児が死亡する経験をした。コロナ禍で、救急依頼への遠慮がさらに強まることも懸念しているという。救急車を妊婦にとっての「産救車」と名づけ、救急依頼をするハードルを下げたかった、という。

 平野医師に協力する市消防本部が7月から3台の救急車で運用している。装備や人員は普通の救急車と変わらないが、車体に母子を描いた「マタニティーマーク」(直径約40センチ)をつける。有田市民か市立病院に通院する人は、119番し、産救車を依頼する。

 平野医師は「有田市以外でも産救車を必要とする考え方が広がってほしい」と訴えた。(直井政夫)