作り続ける「戦後」カレンダー 元年は1945年、今年は78年版
1945年を元年とし、8月15日から新年が始まる「戦後カレンダー」を、栃木県茂木町の明良佐藤さん(78)が今年も作った。日本人310万人余、隣国や諸外国人2千万人超の犠牲の上に日本の戦後は始まった。だが、再び戦争を起こせば、「戦後」とは言えない。そんな平和への思いを込めて作り続けている。
カレンダーは縦約51センチ、横約73センチの1枚。両端に今年8月から来年8月までの暦を配し、中央部分の「日本」「沖縄」「台湾」「朝鮮」「中国」「東南アジアおよび諸外国」ごとの年表は45年8月15日で時代を区切り、それぞれの戦死者の数を「戦後の原点」として記している。
敗戦前の日本によるアジア・南洋諸島支配(委任統治を含む)、戦後の連合国軍総司令部(GHQ)の日本占領期、沖縄の米軍政府支配の時代は薄灰色にしている。「自分たちの国の歩みを再確認し戦争への流れを自覚してもらうため」と話す。
明良さんは同町に移住する前、東京にいた84年に、「戦後40年版」から年表の製作を始めた。ベトナム戦争に日本が関わることに反対する市民運動などに関わってきたが、新しい取り組みが必要だと感じていた。「戦前」の歴史を忘れず、「戦後」を続けていく意識を日常的に、かつ身近に持ち続けられるカレンダーを作ろうと思い立った。
毎年作り続け、今月15日に…