九州学院の2年生直江新、4安打完封 「完璧なボール」で奪った三振

編集委員・稲崎航一
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(16日、第104回全国高校野球選手権大会3回戦 九州学院4-0国学院栃木)

 派手なガッツポーズも見せない。

 九州学院の直江新が涼しい顔で114球を投げきった。

 「完封は先発投手としての目標なので、よかったです」。前年優勝校の智弁和歌山を破った国学院栃木打線を散発4安打、1四球に封じた。

 175センチ、68キロの右腕。力任せではない。

 しなやかな腕の振りからスーッと直球が低めに伸びた。

 右打者に100キロ前後のカーブ、左打者にはチェンジアップが効果的だった。

 六回2死、前の試合で本塁打を放っている4番平井悠馬との勝負は圧巻だった。

 直球を5球続けてカウント2―2と追い込むと、6球目はワンバウンドのスライダー。かろうじてファウルで逃げられた。

 すると、7球目は外角いっぱいに141キロをズバッ。

 見逃し三振に仕留め、平井には「もう1球変化球かと思ったら、外角低めに完璧なボール。しょうがないという感じ」と言わせた。

 これで乗った。七回まで4連続三振を奪った。

 八回1死一、三塁のピンチもチェンジアップで空振り三振、スライダーで一ゴロを打たせて切り抜けた。

 「長所は持ち球すべてが勝負球になるところ」。2年生は胸を張った。

 「マイペースでのんびり」「物おじしない」がチームメートの評だが、実は緊張しやすいらしい。

 熊本大会準々決勝が、2点リードの九回無死で継続試合となり、2日延びた時は食事がのどを通らなかったという。

 今大会も初戦の帝京五(愛媛)戦は硬さが取れず、7回4失点。連続で押し出し四球を出す場面もあり、「ふがいない投球だった。取り返す気持ちだった」。

 試合中に一塁手の村上慶太が「肩の力を抜け。楽しめ」と声をかけてほぐしてくれた。

 今大会2人目となる完封を遂げ、チームを12年ぶりの8強に押し上げた。

 「2年生で1番を背負っている。3年生の分までしっかり投げないといけない。今日のような投球ができれば打たれることはない」

 初の4強入りへ、エースの自覚をのぞかせた。(編集委員・稲崎航一)