• アピタル

「あなたの大事な方、医療が受けられないかも」医療有志が訴え

新型コロナウイルス

吉川喬
[PR]

 岡山県内で新型コロナウイルスの日々の感染者は第6波の2倍の水準に達し、病院の病床のひっぱくは深刻だ。「あなたの大事な方が倒れても、必要な医療が受けられないかもしれません」。今の危機的な状況を少しでも多くの人に知ってもらおうと、医師ら有志がチラシをつくった。

 16日こそ半月ぶりに1日ごとの感染者が2千人を切ったが、7月下旬以降、2千人超が常態化してきた。8月に入ると3千人を超えた日は5回。第6波の時の2月5日に記録した1458人を大幅に上回る水準で推移している。

 亡くなった人の発表は3日以降、14日連続で確認されている。感染者数が膨らむことで、重症化しやすい高齢者にも感染が広がった影響が出ているとみられる。

 おのずと医療はひっぱくする。県内の確保病床は584床だが、15日午後5時時点の病床使用率の速報値は62・3%。コロナ対策の目安とする5段階の指標で、県は全体として「レベル2」と判断しているが、病床使用率に限ってみればより深刻な「レベル3」相当の状態が続いている。

 こうした状況に危機感を抱き、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野の頼藤貴志教授ら県内外の医師や専門家の有志4人は啓発チラシをつくり、感染対策などを呼びかけている。

 従来の注意喚起との違いは、ひっぱく状態にある医療機関への配慮だ。緊急性の低い人に救急外来や外来受診を控えるよう呼びかけている。65歳未満で基礎疾患がない人は「あわてて、検査や薬のために受診する必要はありません」とし、症状が重かったり、3日以上の発熱が続いたりするケースでの受診を勧めている。

 感染対策としては、体調が悪かったら(学校や仕事を)休む▽屋内でのマスク着用▽高齢者や基礎疾患のある人と接する場合は大人数の会食は控える――などを挙げた。

 有志は現在の感染状況を解説する動画も作成した。動画では医師たちが「今まで経験したことのない高い(感染の)波を経験している」などと訴えながら対策を呼びかけている。

 チラシや動画は同分野ホームページ(https://www.unit-gp.jp/eisei/wp/?p=5836別ウインドウで開きます)で公開している。(吉川喬)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料
新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]