購入費補助で自転車バカ売れ 最大3万円、市役所には「公用自転車」

南島信也
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 静岡県伊豆市で自転車の売れ行きが好調だ。新車を購入した市民に、市が3万円を上限とする補助金を支給しているためだ。想定以上の申請数のため、昨年度に続いて今年度も予算を増額した。公務時の職員の移動にも自転車を積極的に使うなど、「自転車まちづくり」を着々と進めている。

 伊豆市には、東京五輪パラリンピック自転車競技の主会場となった「日本サイクルスポーツセンター」がある。市はレガシー(遺産)創出のために、さまざまな工夫を凝らした施策を打ち出し、新車購入補助金はその一環だ。

 昨年4月以降に購入した新車を対象に、同10月に補助制度をスタートしたところ、計上していた予算150万円をすぐに使い切ってしまい、予備費で対応した。2021年度は計128台の購入を補助した。

 市民に好評だったことから、22年度も制度を継続し、すでに150台(8日現在)の購入を補助している。予算も増え、当初は300万円計上していたが、15日にさらに300万円追加し、今年度は計600万円で対応する予定だ。

 市観光商工課によると、市内には自転車専門店がなく、ホームセンターで購入する人が多いという。伊豆市は山がちで起伏が激しい地形のため、自動車での移動が中心で、市民の自転車利用率は2%(2010年国勢調査)と静岡県内でも低い。市の担当者は「買い替え需要に加え、電動アシスト自転車を買う人が多い」と話す。

 市役所もまた「自転車ブーム」だ。市はブリヂストンサイクルから自転車17台を寄贈された。オリパラの競技会場や選手村で、アスリートやスタッフの移動手段として実際に使われていたスポーツバイク15台と電動アシスト付きのE―BIKE2台だ。これを「公用自転車」として、職員が市の施設や現場などに行く際に使うことにした。

 利用範囲はおおむね片道3キロ以内で、正しい交通ルールと安全な利用方法を身につけるため、職員対象の講習会も行う。温泉街など道幅が狭い場所が多いことから、「公用車よりも公用自転車の方が使いやすいのでは」との声が職員から上がっていたという。(南島信也)