女性初の棋士なるか 将棋の里見女流五冠「編入試験」を合格者が展望

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北野新太
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 将棋の里見香奈女流五冠(30)が18日から棋士編入試験に挑む。四段の棋士5人との五番勝負に臨み、3勝を挙げれば「女性初の棋士」が誕生する。

 「女流棋士」と「棋士」は制度が異なる。棋士は性別を問わず、養成機関「奨励会」を突破すればなれるが、過去に在籍した約20人の女性で棋士と認められる四段への昇段を果たした人はいない。

 里見女流五冠は島根県出雲市出身。12歳で女流棋士になり、16歳で初タイトルを獲得。その後、史上最多の通算49期のタイトルを重ねた。現在は八つのタイトルのうち清麗、女流王座、女流王位女流王将倉敷藤花(とうか)の五つを保持する。

 2011年、女流棋戦と並行して奨励会に入会し、女性初の三段まで昇段したが、最終関門の「三段リーグ」は突破できず。18年に年齢制限の26歳を迎えて退会を余儀なくされた。

 一度は棋士になる夢を断たれたが、残されていたのは編入試験への道だった。昨年7月から今年5月までに女流棋士枠で参加した一般棋戦で棋士を相手に10勝4敗と圧倒。「10勝以上かつ勝率6割5分以上」の条件をクリアし、受験資格を得た。

 資格取得から1カ月近く熟慮した末に受験を決断した里見女流五冠は、7月の表明会見で「目の前の対局や出来事を全力でこなしていました。考える余裕もなかったのですが、挑戦してみたい気持ちが出てきました。後悔しない選択をするように、自分の感情が動くかを見ていました。正直、自分の実力からすると厳しい戦いになると思いますが、全力で挑みたいです」と誓った。

 「女性初」と期待されることについて「大変うれしく思うと同時に、そういうことが珍しくない社会にもなればいいとも思います」と語り「周りの皆様に何かを届けることができたらいいなと思う」と抱負を述べていた。

 五番勝負の展望について、05年に特例で行われた試験に合格した瀬川晶司六段(52)は「ずっと女流の第一人者だった里見さんは先駆けになるのに最もふさわしい人。里見さんの指す将棋もとても個性があるので、もし棋士になったらとても意義のあることだと思います」と語る。主力戦法の中飛車に工夫を重ねているプレーヤーとして将棋界に与える好影響にも期待する。

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