2020年の体外受精児、初めて前年下回る 治療のピークは40歳
後藤一也
2020年に体外受精で生まれた子どもは6万381人で、前年から214人減ったことが、日本産科婦人科学会のまとめでわかった。1986年に学会への報告制度が始まって以降、初めて前年を下回った。新型コロナウイルスの流行で受診が減ったことなどが影響したと、専門家はみている。
体外受精は、精子と卵子を体外で受精させて子宮に戻す方法で、20年の体外受精の治療件数は、44万9900件(前年比8201件減)だった。年齢別では、40歳が3万6049件で最も多かった。
データをまとめた東邦大学医療センター大森病院産婦人科の片桐由起子教授は「20年は新型コロナによる影響で減少したと考えられる。コロナが長期化していることや、22年度から不妊治療への保険適用も始まったことから、21年、22年は増加が予想される」と分析している。
国内全体の出生数が減るなか…
- 【視点】
この記事を読めば、結婚してから数年経って子どもがいない人に、「まだ子ども作らないの?」と聞くことの不用意さが理解できると思います。もし不妊治療中であっても、正直にそれを伝えてくる場合は少ないでしょう。「まだいいんだ」や「うちは作らないんだ」