「危険運転」適用なく起訴 大分地検「遺族に誠意もって対応する」

倉富竜太
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 大分市内で昨年2月、一般道を時速194キロで走行していた元少年(当時19)の車が会社員小柳憲さん(同50)=いずれも大分市=の車と衝突し、小柳さんが死亡した事故で、元少年に危険運転致死罪が適用されなかったことについて、大分地検の加藤良一次席が17日、朝日新聞の取材に応じた。

 加藤次席は「法と証拠に基づいて事件処理をしている」としたうえで「捜査を遂げた結果、危険運転致死罪での起訴に至らなかった」と述べ、証拠がそろわなかったことを示唆したが、具体的証拠については言及を避けた。遺族が求める訴因変更については検討の有無を含め言及しなかった。一方で、遺族に対しては「誠意をもって、意見をうかがいながら説明し、対応していきたい」とした。

 起訴状によると、元少年の乗用車は昨年2月9日午後11時ごろ、大分市里の港湾道路交差点に法定速度(時速60キロ)の3倍を超す時速194・1で直進。交差点を右折していた小柳さんの乗用車と衝突し、小柳さんを死亡させたとされる。

 元少年は昨年4月27日、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)の疑いで書類送検されたが、大分地検は今年7月22日、過失運転致死の罪で大分地裁に起訴。遺族が今月14日に記者会見し、「どれだけスピードが出るか試すために、夜の一般道路で194キロも出した結果の事故で、不注意による過失だとはとても思えない」と憤っていた。

 捜査関係者によると、危険運転致死罪は高速走行だけでは成立せず、被告に危険の認識があったことに加え、事故発生時に車の進行を制御することが困難だったことが要件とされる。(倉富竜太)