ジェンダーレス水着と「ひと夏の恋」 どうなる、夏の海
甲南女子大教授・米澤泉
今年もまた水着を着ないまま夏が終わってしまいそうだ。コロナ下ということもあり、なかなかリゾートで水着という気分にはならないし、今何を着るのが正解なのか、という問題もある。何しろ、私の持っている水着は、ビキニではないもののいずれも比較的露出度高めのハイレグ仕様なのだ。
ハイレッグカット(ハイレグ)とは、脚の付け根の部分を鋭角に深くカットしたもので、脚が長く見えるため、80年代前半から長らく女性用ワンピース水着やレオタードの主流デザインとなった。レースクイーンやキャンペーンガールのコスチュームもすべてハイレグだった。しかし時は流れ、繊維やビール会社のキャンペーンガールも続々と廃止になっているご時世だ。
紫外線の有害性がいっそう叫ばれるようになり、もう海辺でも肌を積極的に露出している人は少数派になっている。昭和の小学生は、夏休み明けに日焼け具合を競ったりしたものだが、令和の小学生はみんなラッシュガードを着用している。さらに今年は、男女同じ形のジェンダーレス水着が発表され、肌を極力露出しない水着は今後のスタンダードになっていきそうである。
それは、好ましいことだと思…